モノ書きの「こまり」です。映画、舞台、音楽、ごはん、お酒、そのあたりのことを書いたり、描いたりしています。ときどき歌ったり、踊ったりもしています。
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八月納涼歌舞伎(三部)アンチヒーロー法界坊

そして三部は『法界坊』。串田和美演出作品です。勘三郎さん縦横無尽。以前に中村座の小さな小屋で演じたものの再演で、それをご覧になった方は、歌舞伎座だと大きすぎるんじゃないかと心配されていました。幕があいてみると、上手と下手に二階建ての客席がしつらえてあって、そこにたくさんの人形(とびっくり仕掛け)。さすが串田さん。人形といえば、ポスターのかなり怖い法界坊人形も、串田さん作だそうです。不真面目きわまりない法界坊が、どたばたの末に自業自得で殺されるが、それでも執念で化けて出る。しかも、巻き添えで死んだ野分姫というのがいて、このお姫さまとの合体霊で双面。つまり右からみると法界坊、左からみるとお姫さまという姿で、それで宙乗りするからすごい。歌舞伎座の天井は高いです。古くて普請も不安なのに(笑)、あんな高さまであがってしまうとは。物語のバックグラウンドとして吉田家のお家騒動がからんでいるので、とくに芝のぶさんの役なんか、これあのお十ってことだよなと思うと、6月コクーンの『桜姫』とかぶるところがあります。というか、歌舞伎って外伝だらけだから、基本的にかぶりにかぶってるんですよね。いろんなものを観る楽しさです。またしてもヒーロー的な橋之助さんに向かって勘三郎さんが「あんたはいいねえすーッと背が高くて。鼻もこんな高くて、なんでも噛めそうな丈夫な歯しやがって!御宿かわせみ!」とさんざんつっこみ、しかも夫婦げんかをすると子供たちに「もうおとうちゃまを許してあげてくださいっていわれてた」。いずこの家も(笑)。特筆は亀蔵さんのみごとなモンスターぶりと、これまた勘太郎ちゃんの二役での活躍。いったい1日で何役演じてるんだ君は。鼻の下の青いネチネチ坊ちゃん勘十郎のはじけっぷりもよかったが、やっぱり後半の女船頭おさくがカッコいい。川面を眺めながらきせるを吸ってる後姿もよし、最後は悪者をはしから蹴散らして、ほとんど志穂美悦子!
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by komarius | 2005-08-12 23:15